Together with People and Society
人や社会とともに
お客さま、従業員、お取引先、地域社会、株主・投資家などのステークホルダーと真摯に向き合い、「お客さまに安全で美味しい食を届け続ける」という価値の提供に努めています。また、従業員の働きがいや働きやすさを向上するため、DE&Iや人財育成に関する施策も拡充しています。
お客さまと従業員の体験価値の向上
日々の食を美味しくすることで、お客さまの生活や人生まで豊かにしたい。その思いのもと、商品のクオリティだけでなく、どうすればお客さまに喜んでいただけるか、体験価値の向上に注力しています。またその取り組みは国内のみならず海外出店を通じて、世界中に展開しています。
お客さまの体験価値向上
当社グループは、「スシロー」「京樽」「回転寿司みさき」「鮨 酒 肴 杉玉」の主要4ブランドを運営しており、グループの総店舗数は1,198店舗となりました(2025年9月時点)。全店舗に共通するのは、商品の美味しさはもちろん、食を通じた豊かな生活や時間をお届けしたいという考えです。各ブランドの特色を活かし、お客さまの体験価値向上に取り組んでいます。
「スシロー」では、「すしに真っすぐ!」をスローガンに掲げ、味や品質のこだわりを改めてお客さまに伝えると同時に、社員やスタッフも再認識することで、お客さまに満足いただけるサービスの向上に努めています。また「デジタル スシロービジョン(通称:デジロー)」を順次導入し、新たな回転すしの楽しさを提供しています。
「京樽」では、利用シーンに応じた商品ラインアップを強化しています。作り立てのようなお鮨をいつでも気軽に食べていただけるよう、品質の高い冷凍鮨などを開発し、大手スーパーのECなどで販売しています。
「回転寿司みさき」では、2024年9月にブランドの旗艦店となる「総本店みさき」を東京・人形町に開店しました。高水準のサービスを実践するモデル店舗として、スタッフの研修・教育の場にも活用し、サービスの向上を目指しています。
「鮨 酒 肴 杉玉」では、「スシロー」と共通の食材を活用しながら、寿司居酒屋ならではの魅力ある創作メニューを展開しています。品質はもちろん、お客さまに食事を楽しみ、面白がっていただくことも大切にしています。
スシロー

京樽

回転寿司みさき

鮨 酒 肴 杉玉


DXで予約からお会計までさらにスムーズに
「スシロー」の店舗では、アプリでの来店予約、入店時の案内・発券などの自動案内システム、注文用のタッチパネルやセルフレジ、テイクアウト用の自動土産ロッカーなど、さまざまなデジタル技術を導入しています。DXの活用によって店舗運営を効率化するとともに、待ち時間の短縮や商品の快適な注文、スムーズな商品提供など、お客さまの体験価値の向上を進めています。
すしの回転レーンをデジタルビジョンで再現
2023年9月に「スシロー」で導入を開始した「デジロー」は、国内123店舗、海外19店舗(2025年9月末時点)まで展開しています。デジローは、大型のタッチパネル上で回転レーンにすしが流れる仕組みで、新たなすしとの出会いや選ぶ楽しさを再現しています。注文機能のほか、すしのこだわり情報やクイズといったコンテンツの配信など、体験価値向上の機能を備え、お客さまから評価を得ています。

従業員の体験価値向上
「スシロー」では、キッチン内オートレーンの導入によって作業効率を高め、サービス向上と働きやすい環境づくりを推進しています。また2023年11月には店舗スタッフのドレスコードを改定し、髪色・髪型を自由化しました。従業員が個性を活かしていきいきと働くことで、お客さまの体験価値向上につなげていきます。
2025年大阪・関西万博に「スシロー未来型万博店」を出店
「まわるすしは、つづくすしへ。ーすし屋の未来 2050ー」をコンセプトに、2025年大阪・関西万博で「スシロー未来型万博店」を出店しました。水産資源の持続可能性に向けた課題やその解決に寄与する技術を、メニューや店舗体験を通じて美味しく楽しく学べる店舗として、魚はすべて養殖で提供するという新たな挑戦に加え、陸上養殖や完全養殖などの先端技術を活用して育てた食材を使った寿司を「あしたのサカナシリーズ」として販売しました。さらに、大型タッチディスプレイ「デジロー」には、増えすぎたウニを獲り、海の保全について知ることができる「ウニキャッチゲーム」などの万博限定ゲームを導入し、お客さまが楽しみながら学ぶ機会を提供しました。

「スシロー未来型万博店」外観
安全・品質・信頼への取り組み
食の安全・安心
お客さまに食を通じた豊かな時間を提供するためには、商品の安全を担保し、安心してお召し上がりいただくことが不可欠です。このため、私たちは食の安全・安心を重要課題として取り組んでいます。
HACCPの考え方に基づいた品質保証体制
原料調達から商品がお客さまに届くまで、どこにどのようなリスクがあるかを分析し、どの段階でどのように管理してリスクを回避するかを計画し、実施状況を継続的に確認・見える化して、問題があった場合の改善活動と必要に応じた計画の見直しを行う。私たちはこのHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)の基本的な考え方に基づき、サプライチェーン全体を管理しています。
仕入先の品質・衛生管理
当社グループが商材を仕入れている取引先は約130社にのぼります(2025年9月末時点)。新たに取り引きを開始する際、食品安全は特に重要な項目として位置付けており、仕入先の加工場が食品安全管理に関する国際規格であるGFSI認証を取得していることを確認しています。同認証を取得していない場合は、当社の専門部署が直接加工場へ赴き、当社グループの要求事項に沿って管理状況をチェックし、合格基準を満たしていることを確認した上で取り引きを開始しています。取り引き開始後も、検査や加工場視察を不定期に実施し、安全・安心を確認しています。

店舗での品質・衛生管理
店舗では、展開する国や地域の食品安全に関する法令を遵守することはもとより、国際的な衛生管理手法であるHACCPの考え方に基づいた衛生管理を行っています。当社グループの主力メニューはおすしで、生ものを多く取り扱うため、調理に従事する従業員の衛生管理は特に重要です。中核事業であるスシローでは、入店時の手洗いやトイレ後の手洗いなど、重要なタイミングで全従業員が正しい手順による手洗いを実施できるよう、「第三者手洗い確認」の仕組みを導入しています。手洗いを含めた衛生管理の取り組み事項については、HACCP衛生管理計画書を策定して見える化するとともに、従業員への教育活動を通して周知を行っています。また、全店舗の外部機関による衛生点検を年2回実施し、衛生管理計画書に従った管理ができているかどうかを評価しています。評価の低い店舗には当社の専門部署が訪問し、改善指導を実施することで、全店舗が一定以上の安全レベルを維持できるよう取り組んでいます。
アレルゲン・原産地情報
様々なお客さまのご来店に対応するため、グランドメニューと販促商品に対して、アレルゲン情報を随時更新しながら提供しています。また、農林水産省が公表している「外食における原産地表示に関するガイドライン」に従い、各商品の原材料原産地情報を公開しています。
※本来そのメニューに含まれていない他のアレルギー物質が、工場製造時や店舗調理時に意図せず付着、混入する場合があります。
※デザート、ドリンク類、トッピング(ソース、調味料など)については表示対象としておりません。
※天候の影響や、調達の都合によりその他の国からも仕入れる場合がございます。
加盟している食の安全・安心・品質に関する団体
当社は一般社団法人日本フードサービス協会 安全安心委員会に参画しており、意見交換会にも積極的に参加しています。また、グループの京樽は、一般財団法人食品安全マネジメント協会(JFSM)が運営する食品安全規格「JFS-B規格」の適合証明を取得しています。
責任ある宣伝・マーケティング
基本的な考え方
当社グループは行動規範に定める、商品及びサービスの安全・安心・品質の確保、法令を遵守した責任あるマーケティングコミュニケーションの実施といった項目の下、これを遵守した宣伝・マーケティング活動を行います。また表示・表現に関する独自のガイドラインを設け、適正さを確認しています。行動規範については公式ホームページで公開しています。
管理体制
キャンペーンや広告宣伝物の起案・作成は、広告宣伝、商品、各事業会社の最高責任者、法務担当者などが参加する「三位一体」会議において、表示・表現のコンプライアンス面の協議や議論をする体制をとっています。また、これらキャンペーンや広告宣伝物のあり方は、各事業会社においても経営会議で報告され、取締役会で決議されています。作成したすべての広告宣伝物は、法務、カスタマーサポート(お客さま対応部署)をはじめとする複数の関連部署にて確認を行います。
教育・啓発
広告宣伝部門では法務と連携して、宣伝・マーケティングのコンプライアンスに関する勉強会(当社のヒヤリハット事例より)を半年に1度の頻度で定期的に受講しており、FY25は1回受講しました。また広告宣伝部門は、全国公正取引協議会連合会が主催し、消費者庁が後援する景品表示法に関する勉強会への出席や、部内ポータルサイトで部員が自発的に学習し、必要に応じて広告宣伝物をチェックできる環境を整える等、キャンペーンや広告宣伝物等の違反防止に努めています。
サプライチェーン全体での人権・労働への取り組み
人権方針と調達基本方針
当社グループの重要な課題として、水産資源や農産物等の持続可能性だけでなく「人」に関連する課題があります。事業活動において人権を尊重する責任を踏まえ、2024年に人権方針を策定・改定しました。本方針は、「国連グローバルコンパクトの10原則」を参照し、「国連ビジネスと人権に関する指導原則」に基づいています。今後は人財の活躍やDE&Iの取り組みをさらに推進していくと同時に、幅広いステークホルダー(従業員、お客さま、地域コミュニティ、サプライヤー、お取引先)の人権尊重に取り組んでいきます。また、調達基本方針においても「人権の尊重と労働」の項目を設け、自社のみならずサプライヤーにも遵守を求めています。
併せて、人権方針と調達基本方針は英訳をホームページ上で公開し、より多くの従業員やお取引先への周知に取り組んでいます。
人権デュー・ディリジェンス
人権尊重の責任を果たすため、「国連ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、人権デュー・ディリジェンス(人権DD)の仕組みを構築し、人権侵害の防止に努めます。事業活動に関わる人権問題として、児童労働、強制労働、差別の禁止と多様性の尊重、結社の自由と団体交渉権の尊重、労働時間と賃金、労働安全衛生、これら6つの項目を重視し、課題の解決に取り組んでいます。サプライチェーン上の人権リスクの把握・評価を行うため、FY25は主要な1次サプライヤー約470社へアンケートを送付し、8割ほどの回答を得ています。この調査で、高リスクとなった場合は取引の状況等に応じて各担当部署が対応を判断しております。加えて、人権DDのパイロットプロジェクトとして、インドネシアの2次サプライヤーへの実地監査を行いました。監査は1次サプライヤーにも同行いただき、 外部の専門監査会社に委託して行い、管理職層から実務担当者まで約60名に及ぶ関係者へのインタビューを実施し、関連する文書や記録のレビューも行いました。今回の知見と結果を活かし、今後、全社的な人権DDの推進を検討してまいります。
人権・労働に関する取り組み
当社グループは、すべてのステークホルダーから広く信頼される会社を目指し、行動規範を定めています。この徹底を図るため、全社員を対象に、人権・労働問題を含めたコンプライアンス研修を実施しています。また、従業員の適正な労働時間の遵守のため、過度の長時間労働の防止を目指し、残業時間を毎月モニタリングしています。本社などの一部では顔認証制度を導入しモニタリングの精度を高めています。また、採用時には身分証明書等にて年齢を確認し、児童労働の防止に努めています。 なお、人権・労働問題、パワハラなどハラスメント行為を受け付ける、守秘義務を守った内部通報制度を設置しています。
DE&I推進

FOOD & LIFE COMPANIESは、企業理念である、VISION「変えよう、毎日の美味しさを。広めよう、世界に喜びを。」の実現を目指しています。 その原動力の一つとなるのが、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(以下、DE&I)の推進です。私たちは、「個性あっての多様性。~グループ力を無限に高めるために。個性を認め合おう。多様な持ち味を発揮しよう。~」をPRINCIPLES(行動指針)の一つに掲げ、DE&Iを推進します。
社会と地域への貢献
基本的な考え方
当社グループは、「変えよう、毎日の美味しさを。広めよう、世界に喜びを。」というVISIONを実現するため、マテリアリティの1つに「DX推進などによるお客さまと従業員の体験価値の向上」を定め、その下で「出店地域への貢献」「子どもの食育、食による幸せの提供」に向けた社会貢献活動を実践しています。具体的には、生徒や学生を対象とした「持続可能な開発のための教育(ESD)」「米作り体験」といった次世代の教育支援や子育て支援、障がいのある方を対象としたスポーツ支援を通じた共生社会の実現への貢献などに力を入れています。
被災地支援:石川県輪島市でお寿司を提供

2024年2月に令和6年能登半島地震で被災した石川県輪島市内で、「京樽」のいなり寿司や巻き寿司など、合計約5,000食を「京樽」の工場から直送し、2カ所は従業員6名で、1カ所は市職員の方が提供しました。同年3月には2回目となる被災地支援として、「京樽」の「茶きん鮨」を詰め合わせた「ゆり」を2,000食、冷凍の「茶きん鮨」500パックなどを輪島市役所の敷地内では従業員6名が、その他各地域避難所などへは市職員の方が提供しました。
地域貢献:事業で縁のある自治体を企業版ふるさと納税で支援
「スシロー」では、企業版ふるさと納税による自治体への寄付を行っています。海洋水産資源が減少傾向にある近年、サステナビリティ経営を推進する中で、各地で養殖や人口種苗開発などの研究を進めています。昨年度に続き、FY25も熊本県天草市、富山県朝日町、三重県尾鷲市に寄付を行いました。富山県朝日町からはFY24の寄付に対する感謝状をいただきました。

地域貢献 :本社所在地の吹田市主催「すいたフェスタ2025」に協賛
地域社会とのつながりを形成する一環として、「すいたフェスタ2025」に協賛し、うちわの配布に加え、吹田市・日揮ホールディングス株式会社と共同で廃油回収ブースを出展しました。ブースでは、持続可能な航空燃料SAF(Sustainable Aviation Fuel)への活用を目的とした家庭の廃油回収の認知向上を図るため、関連する体験型ゲーム等を実施し、多くのご家族に楽しんでいただきました。

食育:生産者とお客さまをつなぐ食育イベント「スシロー体験ツアー」
「スシロー」では、ご愛顧いただいているお客さまを対象に、無料で参加いただける体験イベントを実施しています。FY25は、農業体験を通じてお米に触れる「スシロー米体験ツアー」、養殖場を見学しながら魚について知る「スシローと一緒に海を体験するツアー」など、計4回のイベントを滋賀、兵庫、三重で開催しました。FY25は延べ200名のお客さまが参加し、体験を通じて楽しみながら学んでいただけました。また、FY25で本活動は10周年を迎え、各種イベントに参加いただいたお客さまは延べ1,000名を超えています。今後も地域の皆さまとともに、食の大切さを感じながら生産者への感謝の心を育む食育活動を推進していきます。


食育:小・中・高校生とともに水産資源の未来を考える出前授業を実施
FY25より、新たにキャリア教育や環境問題をテーマとした出前授業を全国の小学校・中学校・高等学校で実施しています。講話やグループワークを通じて海を取り巻く環境について学び、課題意識の醸成や解決策の検討を行いました。
FY25は計7校を訪問し、延べ815名の生徒に参加いただき、持続可能な漁業・水産業や海洋環境について考える機会の提供をしました。


次世代の人財育成:アルバイト従業員を支援する給付型奨学金制度
従業員にとってより働きやすい環境を提供することを目的に、2021年10月より「FOOD & LIFE COMPANIES奨学金制度」を開始しました。経済的理由で大学進学や進級をあきらめることがないよう、一定の条件を満たした大学生アルバイトの方々に、返済の必要がない給付型奨学金を月額2万円支給しています。FY25は43名を対象に支援を行いました。

子育て支援:スシローまんぷくプロジェクト
美味しさの喜びを広げたいという企業理念を実現すべく、「美味しいお寿司を子どもたちにもっと知ってもらいたい」という思いで、NPO法人を通じて「スシロー」で使えるデジタルチケットを無償で配布しています。ひとり親などの子育て家庭を対象に、FY25は430世帯に配布し、お食事を楽しんでいただきました。

障がい者支援:障がい者野球大会に協賛
共生社会の実現を目指し、障がい者支援を目的に年2回のNPO法人日本身体障害者野球連盟への協賛を続けております。自身の障がいと向き合いながらスポーツを通じて躍動する選手の方々を今後も応援します。

教育支援活動
当社では、SDGsなどをテーマに、一次産業事業者・地域・企業と共に、子どもたちの学ぶ機会の創出や、学校授業への協力をしています。
